業績と賃金の関係は別物?
藤野:う~ん、これはあまりいい話ではありませんね。終わった2015年3月期の企業業績は周知のとおり、かなり好調でしょう。だから、従業員に対する配分も、ちゃんと考える必要があります。ま、このレポートは2014年10ー12月期の数字に基づいた分析だから、過去最高益の更新が相次ぎ、賃上げに踏み切る企業が出始めた今に比べて、内容面でややズレがあるように思えますが、この局面で賃上げに踏み切らない企業が続出するようであれば、日本の景気は終わりますね。
中野:僕は、四半期ベースで労働分配率を見ても、あまり意味はないと思っています。経営側からすれば、そこまで細かく期間を区切って、従業員への配分を調整することはありませんから。
渋澤:経営者のお給料は一向に上がらない。
中野:まあ、それは経営者の場合、最後の最後ですからね。まずは従業員の賃上げが最優先で、経営者はそのあと。
渋澤:企業業績と賃金の関係はよく考える必要がありますね。本来は別物だと考えています。確かに、業績が上がっているから賃金も上がるという見方はできるのですが、一方で、従業員の賃金をカットしたから業績が改善するとも考えられます。だから、過去最高益を更新する企業がたくさんあるからといって、それが即、従業員の賃金上昇につながっているとはかぎりません。
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