2014年のマーケットは、ドル円が105円台から120円台に。長期金利(10年物国債)は0.7%だったのが0.3%台に。日経平均株価は1万5908円でスタートしたのが、1万7450円で終了。一方、NYダウは1万6441ドルで始まり、1万7823ドルで終了。直近では原油価格が急落していますが、果たして2015年のマーケットは、そして日本経済はどうなるのか。草食投資隊の3人に聞きました。
米国のFRBは上手な「幕引き」ができるのか
中野 金融緩和アンサンブル、って私はよく言っているのですが、これは2015年も続くでしょう。アンサンブルというのは三重奏。つまり日本と米国、欧州の金融緩和を意味しています。そのコンダクターはイエレンFRB議長です。
渋澤 最大の注目点はどこでカーテンを閉じるか、ということでしょうね。
中野 閉じ方も問題ですね。果たして、綺麗に閉じることができるのか。
渋澤 アンコールもあるかも知れません。閉じた瞬間に皆が「アンコール、アンコール」って大騒ぎしたりして。
中野 う~ん、あり得ますね~。
渋澤 米国人のマインドセットってシンプルな経済合理性があって、金利を上げれば消費は落ちます。そこで調整が入り、しばらくすると金利が下がって消費が回復、という流れになるのですが、日本や欧州というのはそこまでシンプルではない。
だって、日本人は、異次元なリフレ政策で現金の価値を著しく下げているのに、家計の現預金残高が高いまま維持されています。その意味では、金融緩和の幕引きが日本と欧州にどのような影響を及ぼすのか、まだ読み切れません。
中野 そうですね。マーケットの循環が一国の経済だけで語れない時代になりました。この10年で一番大きな環境変化です。恐らく米国経済は2015年にピークを迎えるでしょう。今まではピークを打ったところで金利を上げ、景気を冷やすというシンプルな流れがあったのですが、グローバル化が進んだことによって、ことはそう単純ではなくなりました。日本や欧州への影響も考慮しなければなりませんし、加えて2015年は原油安の問題も出てきます。
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