藤野 実際、2014年のダボス会議では、日中関係が非常に悪化している点が懸念され、最も地政学リスクが高まっているのは日中だという発言もありました。2015年のダボス会議は、日本も中国も行きますし、そこで雪解けムードが確認されれば、それは非常に良いことです。訪日外国人も増えていますし、今年は日中関係も大きなファクターになるでしょう。
少なくとも消費のところで言うと、伊勢丹やラオックス、ドン・キホーテ、高級化粧品などは、明らかに訪日外国人の買い物による影響を受け始めています。
「万全ではない中国」、日中関係は徐々に雪解けへ?
渋澤 外国人が日本に来る環境は整ったわけですよね。円も安くなりましたしね。
中野 特に中国人が訪日してくれたおかげで、日本の景気が盛り上がっている面はありますし、次に日中関係の落としどころを考えるとしたら、中国の国益ですね。中国の実体経済が相当厳しくなっていますから、日本と仲良くすることを合理的に選択してくると思います。上げたこぶしを自然に下せるような環境整備が必要になるでしょう。
藤野 中国の実体経済は万全ではない。だから日本カードを使って国内の問題を相対的に小さくしたいという気持ちはあるけれども、日中の関係を良くしてお互いの景気を伸ばした方が、お互いに得策ではないかという考え方もあります。
渋澤 ようやく習近平体制が整ってきたということではないでしょうか。まだ体制が整っていないから、日本に対して強硬的な態度を取っていたと考えることもできます。
中野 「PM2.5」がひどい状況になっていますよね。この問題を解決するためには、中国独力ではどうにもならなず、日本の技術支援が必要不可欠です。だからこそ、日本との連携が必要になってきます。その意味でも、日中関係は徐々に雪解けに向かうのではないでしょうか。
渋澤 今まで話してきたことを総合すると、2015年のマーケットはどうなるでしょうか。
中野 冒頭でも言いましたが、金融アンサンブルは2015年前半まで続くでしょう。こうしたなかで、NYダウは1万8000ドル台を固めてきます。さて、そこで日本はどうなるか。
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