渋澤 グローバル経済という点では原油安とロシア経済の行方が注目として、国内的にはやはりアベノミクスがどうなるのか、ということでしょうか。第1の矢はすでに2014年10月に黒田バズーカを打ってしまったから、2015年はよほどのことがない限り打つことはない。第2の矢は財源がないから、そんなに積極的なことはできない。第3の矢はちょっと悲観的。サプライズはないでしょう。
中野 選挙後、第3の矢の方向性が変わってしまうようなことはないのでしょうか。メニュー自体は正しいと思うのですが。
4月統一地方選、9月総裁選で大胆な改革は期待薄?
渋澤 ただ、今回の選挙で60以上の法案が廃案になったでしょう。もう一度、仕切り直しです。そのうえ、2015年のカレンダーを考えると、4月の統一地方選、9月の自民党総裁選があるから、あまり大胆な改革はできないかも知れません。
藤野 廃案にはなりましたが、ゼロから作るわけじゃありませんから、また法案を提出すれば良いわけです。だからこそ、守旧派からの反撃が気になるところではあるのですが。
渋澤 法人税減税も3年かけて20%台への低下ですから、スピード感にかける感じはしますね。
中野 今回の選挙に自民党が大勝し、アベノミクスが緩むということにならなければ良いのですが。守旧派も喜んでいるようです。
藤野 でも、今回の衆院選では右派が惨敗しているじゃないですか。共産党と民主党が伸びて、維新が横ばい。次世代は壊滅状態。だから、アベノミクスに関しては意見が分かれているけれども、安全保障については、ノーというのが民意ですよ。つまり憲法改正に関しては非常にやりにくくなったというのが、今回の選挙だと思います。
まあ、でも安全保障に傾倒しにくくなったとしたら、それはマーケットにとってプラスでしょう。経済や景気を疎かにして安全保障ばかりに力を入れていると、2014年の年初のように、日中関係が悪いということでマーケットのムードが悪化する恐れがあります。
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