なぜ21世紀型インフレは人を不幸にするのか

ピケティでは日本の格差問題はわからない

「もっとも予測が当たるエコノミスト」と言われ、2014年の景気失速と消費増税の断念、原油価格下落などを的確に予見していた中原圭介氏。
今回は、新刊『これから日本で起こること』(雇用、賃金、消費はどうなるのか、東洋経済新報社)の刊行に際しての特別企画。経済予測のポイントや今後の国内外の経済動向、アベノミクスの成否などについて、「美人すぎる金融アナリスト」として人気急上昇中の三井智映子氏が3回に渡ってインタビュー。第2回は「なぜ『21世紀型インフレ』は人々を不幸にするのか」についてお届けする。
第1回「これから日本で起こること」とは何か?は→こちら

なぜ「アベノミクス」で格差は拡大するのか

三井智映子(みつい・ちえこ)フィスコリサーチレポーター  NHK教育「イタリア語会話」でデビューし女優として活動。2013年、講談社より『最強アナリスト軍団に学ぶ ゼロからはじめる株式投資入門』を出版し、「美人すぎる金融アナリスト」として話題に。わかりやすい初心者向けの投資解説やセミナーを得意とする。

三井:中原さんはこれまでの著書のなかで、アベノミクスによって格差が拡大してしまうということを訴えてきたそうですね。

中原:今回の新刊を出す以前からの経緯をお話しましょう。私は、安倍政権発足前後の2012年12月に、ある週刊誌から「アベノミクスは正しいのか?」という取材を受けた時、「歴史的に見れば、悪いインフレになり、国民の生活は苦しくなる。アメリカのように格差を拡大させる政策を実施してはいけない」と述べました。

そのうえで、「経済政策とは誰のために存在するのか。なぜ富裕層や大企業のためにしかならない政策を実行するのか」と強く訴えたことを、今でも鮮明に覚えています。

私は元々、アベノミクスは国民生活に悪影響を及ぼすことがわかっていたので、「この政策は軌道修正させなければならない」という、強い信念を持っていました。だから私は、何とか本来の仕事と両立をしながら、2013年の1年間に、7冊もの著書を執筆するというストイックなスケジュールをこなすことができたのです。

著書の主要テーマがアベノミクスと関係がない場合でも、少なくとも1章分くらいはその批判に充てて、できるだけ多くの人々が合理的に理解できるように述べてきたつもりです。

通常なら年間2~3冊の執筆ペースでも時間的に厳しい私が、2013年に7冊もの書籍を執筆できた理由は、まさしくアベノミクスに警鐘を鳴らしたいという思いが非常に強かったからです。2000年頃とは経済構造がまったく変わってしまった日本では、大規模な金融緩和によって円安とインフレを引き起こすというアベノミクスは、一般の国民生活を苦境に追いやるのが目に見えていたのです。

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