2011年3月11日に起きた東日本大震災から4年が経過した。いまだに被災地は完全復興には程遠い状態だが、全国的には徐々に風化を危惧する声も増えている。
東洋経済の調べ(有効回答858社)では2014年6月末時点の大手企業の復興支援の状況は「行っている」54.0%(463社)、「行っていない」43.4%(372社)だった。
企業の震災復興支援活動は徐々に減少
ちなみに、1年前の同じ調査(有効回答722社、13年6月時点)では、「行っている」58.3%(421社)、「行っていない」38.2%(276社)。2011年夏時点では、有効回答771社中実に94.7%(730社)が何らかの支援活動を行っていたので、徐々に減っていることは明らかだ。
減ったとはいえ、依然過半数の企業が復興支援活動を行っていることは注目に値する。一方、企業の社会貢献活動は復興支援以外にも地域のイベントや文化事業の開催・後援、他の海外の災害時の義援金拠出など多くある。これらをどのようにバランスよく実施していくかは大きな課題だ。
東洋経済オンラインは、『CSR企業総覧』に掲載する各社の社会貢献支出に関するランキングをまとめた。これを中心に被災地への復興支援も含めた社会貢献の取り組みについてご紹介しよう。
まず、2013年度の社会貢献支出額のランキングから見ていこう。
トップはトヨタ自動車の224億円。2011年度144億円、2012年度137億円と高いレベルの支出を続けている。
同社は「環境」、「交通安全」、「人材育成」、「社会・文化」の各分野で社会貢献活動に取り組んでいる。「交通安全イベント」の開催や「交通安全体験講習施設」運営など自動車メーカーならではの活動は多い。
さらに、小学生対象の社有林「トヨタの森」での環境教育プログラム、社員が講師となりモノづくりの大切さや科学の楽しさを子どもたちに伝える科学工作教室、地域のアマチュアオーケストラとともに各地で開催する「トヨタコミュニティコンサート」など幅広い分野の事業にもかかわっている。
東日本大震災の復興支援活動も継続して推進中。トヨタ自動車東日本でのコンパクトカーの製造、トヨタ東日本学園での人材育成、スマートグリッド技術を活用した農商工連携事業など本業と組み合わせた貢献にも積極的だ。
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