半分になった円の価値、もっと深刻な「実質価値」 「安い日本」は円安になる前から続いてきた問題

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日本経済の構造変化の可能性から目をそらし、「円安は行きすぎ」という議論に逃げ込むのは安直だ。

ドル円の為替を示す電子ボード
10月20日には1ドル=150円を突破した(撮影:今井康一)

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10月20日、ドル円相場はついに150円台に到達した(本コラム執筆時点の高値は150.11円)。年初来の値幅は36.64円に達しており、1990年の36.45円を超え、1987年(38.15円)以来の大相場となる。

なお、過去にドル円相場が高いボラティリティに見舞われたのは基本的に円高・ドル安の年であって円安・ドル高の年で大きな値幅が出ることは極めて稀であった。今年の値幅はプラザ合意以降に関して言えば「史上最大の円安の年」であることも留意したい。

日本経済の構造変化の可能性から目をそらし、「円安は行きすぎ」という議論に逃げ込むのは安直だ。円安が始まった春先、構造円安論を頑なに否定する向きも多かったが、もはやその分析態度には無理があると思う。

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