アップルが社内会議で真剣に「爆笑」を狙う深い訳 「心理的安全性」がイノベーションのカギとなる

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 最新
拡大
縮小
ユーモアは社員の失敗することへの恐怖心をなくし、積極的に新しいことにチャレンジする勇気を与えてくれる(写真:Sundry Photography/GettyImages)
日本の企業はなによりも「真面目」であることを大切にする。ところが、それとは対照的に、アップルやピクサー、グーグルのような企業は、なによりも「ユーモア」を大切にすることで、大きく成長している。
スタンフォード大学ビジネススクール教授のジェニファー・アーカー氏と、同校講師でエグゼクティブ・コーチのナオミ・バグドナス氏によれば、ユーモアにあふれる職場は心理的安全性をもたらし、信頼関係を築き、社員のやる気を高め、創造性を育むという。
今回、日本語版が9月に刊行された『ユーモアは最強の武器である』より、一部抜粋、編集の上、お届けする。

ユーモアは社員の恐怖心を払拭する

従業員たちがすばらしい作品を生み出す環境をつくることは、それ自体が技術だ。

『ユーモアは最強の武器である: スタンフォード大学ビジネススクール人気講義』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

アップル社のクリエイティブ・デザイン・スタジオのトップを務めた浅井弘樹は、クリエイティブ・シンキングのための重要な促進剤として、ユーモアを活用した。

「創造力の最大の阻害要因は、恐怖です」浅井は語った。「そしてユーモアこそ、企業文化から恐怖を遮断するのにもっとも効果的なツールだとわかったのです」

浅井にとって、ユーモアを駆使するのに全社会議ほどうってつけの場はなかった。2000名を超えるクリエイティブ・スタッフが一堂に会するのだ。

次ページ会場ではどっと笑いが沸き起こる
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT