アップルが社内会議で真剣に「爆笑」を狙う深い訳 「心理的安全性」がイノベーションのカギとなる

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「結局のところ、陽気さの文化は従業員にとって安全な場を生み出すのです。安心感があって、リーダーが恐怖ではなく陽気さでみんなを導いていると感じると、思い切って挑戦する意欲が湧いてきます。バカにされる、仲間外れにされるといった心配をせずに、いろんなことを試してみたくなる。イノベーションに対して積極的になるのです。古いアイデアに抵抗し、新しいアイデアを推し進めます」

笑いはストレスを緩和し認知機能を高める

ユーモアと心理的安全性のつながりは、笑いにある。笑える、と思っただけでもコルチゾール(いわゆるストレスホルモン)が39%、エピネフリン(「闘争・逃走」反応を引き起こすホルモン)が70%も減少し、安心感が生まれ、心が落ち着き、ストレスが緩和されることが明らかになっている。

そしてストレスが和らげば、もっといい仕事ができる。2007年のボルチモア記憶研究では、参加者たちの唾液コルチゾール値を測ったあとで認知機能テストを行い、7つの指標における結果を測定した。すなわち、言語、処理速度、視覚・手指協調、実行機能、言語記憶および学習、視覚的記憶、視覚構築の7つだ。

すると、コルチゾール値の低下と7つのうち6つのタスクの高得点には、相関関係があることが明らかになった(リラックスしてストレスが緩和されても、視覚構築には効果が見られなかった)。

つまり、笑うとコルチゾール値が低下し、コルチゾール値が下がれば成績がよくなるのだ。

(翻訳:神崎朗子)

ジェニファー・アーカー スタンフォード大学ビジネススクール教授、行動心理学者

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Dr. Jennifer Aaker

スタンフォード大学ビジネススクールのゼネラル・アトランティック・プロフェッサーで行動心理学者。目的と意義が個人の選択に及ぼす影響や、テクノロジーが人間の幸福や企業の成長にプラスの影響をもたらす可能性に関する研究の第一人者。博士の研究は『エコノミスト』『ニューヨーク・タイムズ』『ウォールストリート・ジャーナル』『アトランティック』『サイエンス』などの主要紙誌でも紹介されている。Distinguished Scientific Achievement Award(科学部門顕著業績賞)、MBA年間最優秀教授賞などを受賞。

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ナオミ・バグドナス スタンフォード大学ビジネススクール講師、エグゼクティブ・コーチ

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Naomi Bagdonas

スタンフォード大学ビジネススクール講師、エグゼクティブ・コーチ。組織のリーダーやフォーチュン100社、非営利組織などに向けたインタラクティブなセッションを促進し、エグゼクティブやセレブリティが『サタデー・ナイト・ライブ』や『トゥデイ』等の番組に出演する際の指導も行っている。〈アップライト・シチズンズ・ブリゲード・シアター〉で正式なトレーニングを受けたバグドナスは、劇場の舞台に立ってコメディーを実演し、サンフランシスコ郡刑務所では、レジリエンスを高めるための即興コメディーを教えている。

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