「雑談も冗談も御法度」日本の職場の超深刻な欠点 「面白さ」に気づけない上司が居心地を悪くする

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面白いことを言って人を笑わせるだけでなく、面白いことに気づくことも、ユーモアのある職場作りには重要です(写真:プラナ/PIXTA)
日本の企業はなによりも「真面目」であることを大切にする。ところが、それとは対照的に、アップルやピクサー、グーグルのような企業は、なによりも「ユーモア」を大切にすることで、大きく成長している。
スタンフォード大学ビジネススクール教授のジェニファー・アーカー氏と、同校講師でエグゼクティブ・コーチのナオミ・バグドナス氏によれば、ユーモアにあふれる職場は心理的安全性をもたらし、信頼関係を築き、社員のやる気を高め、創造性を育むという。
今回、日本語版が9月に刊行された『ユーモアは最強の武器である』について、社会学者で『ユーモア力の時代──日常生活をもっと笑うために』の著者の瀬沼文彰氏に話を聞いた。その前編をお届けする。

日本で注目されないユーモア

僕はずっと笑いの研究をしていますが、日本では、ビジネスにおける笑いを専門にしている研究者は皆無です。そんな中、『ユーモアは最強の武器である』は、アカデミックな引用を元にして、しっかりとまとめられており、興味深く読みました。

『ユーモアは最強の武器である:スタンフォード大学ビジネススクール人気講義』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

ユーモアや笑いには価値があるという話は、1990年代~2000年代以降から出てはいます。ただ、職場は真面目なものとされていて、そこで笑いがあると、「ふざけているのか」と思われがちですし、実践しているところはあまりありません。

近年、お笑い芸人さんの地位が上がるにつれて、スキルとして捉えられたり、「コミュ力」という言葉がブームになり、それがユーモアと結びついていることから注目されてはいるものの、まだ、そこまでのメリットがあるとは認識されていないのかもしれません。

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