「雑談も冗談も御法度」日本の職場の超深刻な欠点 「面白さ」に気づけない上司が居心地を悪くする

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日本の組織は、より重く、より効率よくという方向へ向かいがちで、軽さ、陽気さということは誰も言いません。「ちょっと軽く考えてみる」ということは、忘れられがちですが、重要なことではないかと思います。

アメリカには、「途中段階だし、失敗するかもしれないけど、やってみようよ!」と引っ張るリーダーがいて、多くのイノベーションは失敗の上に成り立っています。

一方、日本は、失敗するかもしれないことに投資する余裕がありません。

失敗すると、それは悲劇になります。深刻に捉えなければなりませんが、ただ、時間を置いてみると、「あの失敗があったから、この成功につながったよね」と言える日が来るかもしれませんし、喜劇として笑い話になることもあるでしょう。

上司が面白いと職場の雰囲気も変わる

ユーモアを取り入れると言っても、その手段はよく考える必要もあります。

人をいじる笑いは、組織においては、ハラスメントになってしまいますし、近年は、お笑い芸人でもそういった笑いの取り方は減りました。

そうなると、自虐のユーモアは使いやすいということになります。ただ、日本の今のリーダーが、自虐で笑いをとろうとしても、それが面白いかどうかは別です。

本書では、リーダーの問題点として、上司がジョークを言った場合、まわりは、地位や序列に配慮して笑うということを指摘しています。

とくに日本の場合は、若手社員が上司への愛想笑いに疲れてしまい、「愛想ハラスメント」のような状態にもなりがちですよね。

ですから、もっとユーモアを勉強して、引き出しを増やすことが大切ですし、それによって上司の面白さが伝われば、職場の雰囲気も変わると思います。

また、ユーモアを受ける側も、例えば、ダジャレにはダジャレを返すようにするなど、フォローを楽しむことに慣れていければいいなと思います。

日本の場合は、「面白いことを言う」ということだけがユーモアと捉えられがちですが、「面白さに気づく」ということもユーモアなのです。本書では、コメディアンこそが、その点をいちばん重要視していると書かれています。

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