「雑談も冗談も御法度」日本の職場の超深刻な欠点 「面白さ」に気づけない上司が居心地を悪くする

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本書でも紹介されているとおり、ユーモアには、心理的安全性を高めるというメリットがあります。

僕も職場では若手ですから、意見が浮かんでも、「言っていいのかな」と躊躇して口を閉ざしてしまうことがあります。そういう中で、ユーモアを言う人がいることは大切です。

そのユーモアがくだらないものでも、受け入れられる環境であれば、自分の真面目な意見もちゃんと聞いてもらえそうだと感じられます。

アイデアやイノベーションも、まずは、どんなにくだらないアイデアでも受け入れてもらえる余裕と、遊び心のある環境が必要でしょう。そこから、本当にいいアイデアへと発展していくことがあるからです。

日本人は、職場から離れて、居酒屋やカラオケに行くとふざけます。一方、アメリカ人は、真面目な場面でも、誰かのちょっとした一言でふざけるというモードが入り混じるのです。

とくに、オンラインがメインとなった時代だからこそ、もっと雑談や冗談はあってもいいなと思っています。

オンラインのなかった頃は、会議室へ歩いて向かうタイミングなどで、何気ない雑談や笑いが生まれることがありました。ちょっとした信頼感ができた状態で、会議を始めていたのです。

一緒に笑い合えると、そこにお互いの共通認識があったことも感じられます。組織の絆が強まり、集団凝集性が生まれる可能性もありますから重要ですね。

ちょっと軽く陽気に考えてみる

本書でいちばん重要なキーワードは「陽気さ」ですが、ここが日本の企業に足りていないところではないかと思います。

アメリカのギャラップ社の幸福度調査によれば、約160カ国で「昨日たくさん笑いましたか?」と質問したところ、日本は77%の人が笑っていると回答しており、アメリカと比較してもそう変わりませんでした。

ただ、多いのは南米です。とくに、パナマは、笑っていると回答した人が多く、その違いを考えると、やはり陽気さではないかと思っています。

本書では、原書の「levity」という言葉を「陽気さ」「軽妙」と訳していますが、これは余裕とも関わってきます。

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