福島第一原発の危機、政府・東電への疑念が晴れないこれだけの要因

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福島第一原発の危機、政府・東電への疑念が晴れないこれだけの要因

3月11日に発生した東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第一、第二原子力発電所。稼働していた1、2、3号機は地震直後に停止したものの、その後の冷却作業がうまくいかず放射能を付近に放出するという深刻な事態に至った。

また、1、3号機は水蒸気爆発を起こし、原子炉を取り囲む建屋が吹き飛ばされるというアクシデントも。また2号機は冷却水が貯まらず、燃料棒がすべて露出、すでに燃料棒の溶融が起きている事態となっている。15日には、2号機では早朝にサプレッション・プールで爆発も起こったという。 


出所:東京電力ホームページ

 現在の事態以上に深刻なのは、政府、東電側の説明の仕方だ。冷却水の注入がうまく言っていると言った直後に、1号機は水素爆発を起こすなど、楽観的な説明の後に悲観的な事実が続く。また、1、3号機が起こしたあれだけの水素爆発でも、「格納容器は無事」と説明。だが、無事な様子を映した映像などの資料もなく、本当に無事なのか、発表以上の放射能が漏れているのではないかとの疑問も強く浮かぶ。

ここでは、いくつかの疑問点を示しながら、今回の事態を考えてみたい。

冷却が不可能になったのは

原発が異常事態になった場合、「(原子炉を)止める」「冷やす」「閉じ込める」が三大原則だ。

また、電力会社各社は常日頃から、「五重の壁があるから安全性に問題はない」と言ってきた。それは、(1)燃料となるウランをセラミック上に焼き固めたウラン化合物である「ペレット」(ウランのまま使うより酸化物にしたほうが高温でも溶けにくく、放射線による変形も少ない)、(2)ウランペレットをつめる「被覆管」(丈夫な金属でできている)、(3)「原子炉圧力容器」(被覆管から漏出して冷却水の中に紛れ込んだ放射能を外部に出さない)、(4)「原子炉格納容器」(鋼鉄製の気密容器、万一の事故時に放射能が外に出るのを防ぐ)、(5)「原子炉建屋」の五つだ。

今回の福島原発の場合も、「止める」ことはできたが「冷やす」ことがうまくいかず、今回の事態を招いた。

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