福島第一原発の危機、政府・東電への疑念が晴れないこれだけの要因

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経済産業省傘下の原子力保安院や東電側の説明によれば、想定外の地震で非常用のディーゼル発電機など電源が作動できなくなったという。非常用発電機は1、2、3号機にそれぞれ2台ずつある。また、原子炉建屋の隣にあるタービン建屋か発電機専用の建屋に設置。海水取水用のポンプは海岸に設置してあった。

ただ、純水(真水)や海水を入れて冷やす作業を東電側は懸命に続けているが、水位が低くなったり、あるいは完全になくなったりを繰り返しており、緊急事態を招く原因にもなっている。

この水位低下については、二つの可能性がある。一つは水位計が故障している可能性、もう一つは、今の水位のあたりに穴が空いていて漏れていること。それ以外にも、原子炉が非常に高温なため注水する量が十分ではなく、入れるたびに蒸発している可能性がある。

ただ、まだ「格納容器は無事」とされている3号機の場合、圧力容器の中で蒸気となって貯まっている可能性が高い。ということは、圧力が相当上昇していることになる。現場の作業員は、1979年のスリーマイル島原発事故を思い出しているに違いない。冷やすためには注水すべきだが、その結果内圧が上昇して圧力容器を破壊してはならない。このジレンマに、現場は陥っているのかもしれない。

ただ、福島原発の場合、2010年6月17日に2号機で電源喪失事故が起き、原子炉の水位が一時低下している。この事故の原因も詳細になっていない。

格納容器、圧力容器は本当に無事なのか

福島原発1号機を覆う建屋が3月12日に爆発、上部が吹き飛んだ。枝野幸男官房長官は爆発後の会見で「(圧力容器は健全であると)確認した」と発言したが、あれだけの爆発を起こして後で、きちんと確認はされているのか。

爆発当時の映像を見ると、爆発する際に建屋の垂直上方に「ソニックブーム」に似たレンズ状の空気の層が一瞬見える。ソニックブームとは、戦闘機が音速を超える際に発生するもの。音速を超えるような空気の圧縮が生じるには、その前に巨大な圧力がかかる。

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