維新・吉村洋文が訴える「社会保険料引き下げ」の全貌≪医療費80兆円時代へ≫現役世代の負担軽減は実現するか?

社会保険料の引き下げを唱える訳
塩田:7月の参議院選挙まで1カ月を切りました。日本維新の会が選挙で一番、アピールしたい点は。
吉村:3点セットです。1点目は将来の人口構造を考えたときの社会保障の抜本改革で、現役世代の社会保険料の引き下げ。2点目は減税・規制改革・歳出改革。食品にかかる消費税を2年間、ゼロに。3点目は副首都です。東京一極集中ではなく、第2の経済圏を造り、東京・首都圏だけに頼るのではなく、バックアップとして日本を引っ張るような経済圏域、副首都の圏域を関西で造る。そのための統治機構改革です。
その先で、福岡や札幌など、それぞれの都市圏域が成長していくという都市戦略です。今、日本に都市戦略はありません。霞が関一極集中で、全部、同じルールですが、それを変えていくほうがいい。
塩田:社会保障の改革で社会保険料の引き下げを唱える目的と理由は何ですか。維新のホームページを見ると、 「年収350万円の人が50万円も取られている」と訴えていますね。
吉村:維新がやってきたのは「既得権との戦いが必要な分野で、改革が進まないところを先送りしない政治」がキーワードで、その一つが社会保障の分野です。人口減少と高齢化社会がさらに進んでいく中で、社会保険料の負担はかなり大きい。何も改革しなければ、将来、子や孫の世代にも負担が大きくのしかかる。そのときに未来に向かって本当に安心できる社会保障制度になっているのか、問わなければなりません。
でも、例えば薬局で買える薬までが保険適用になったりしている。働き手が少なくなる中で、社会保険料の負担は非常に大きくなっているのに、軽微なところまで本当に全部、保険適用にすべきなのか。負担が膨れ上がってくるに決まっている。実際、医療費は僕が子どものころは10兆円台、現在は年間47兆円で、2040年には80兆円になると予測されています。確実に右肩上がりになっています。
あるいは、先発薬の特許が切れた後、効果がきちんと認められるジェネリック医薬品はどんどん活用されるべきなのに、保険適用で先発薬の給付がなされている。同時に複数の医療機関で診察を受ける二重診療は、医療費の無駄遣いや薬の重複といった問題もある。医療のDXが全然、進んでいません。変えるべきところは実に多くある。
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