最初は「日報をちゃんとやって!」とできないところに目をつけていましたが、あるときから「彼の良いところを伸ばそう」と日報は他のメンバーにやってもらい、彼には接客だけにフォーカスしてもらったところ、さらに力を発揮し、部署に大きく貢献してくれました。
しばらくすると、そんな日報の大部分はデータが仕組み化され、スタッフが時間を使う必要もなくなったので、当時の「できないところ」は後からは「できないところ」どころか、必要でないことに変わったのです。
そのうえで、あらためて部下の行動、仕事を「できているところはないか」「できたことはないか」、そして「頑張っているところはないか」を見てあげるのです。
あなたから見たら「まだまだ」であっても、違う視点から見れば、他に貢献できる得意があるかもしれませんし、時代の流れで「できない」が自然とカバーされてくることもあります。「足りないところ」だけでなく「すでにできている」「強み」にフォーカスすることも上司の大切な役目です。
本人が全力でやっていれば、その頑張りを承認してあげましょう。結果が出ていなくても、プロセスを行為承認してあげるのです。そして、そのことを言葉にして伝えましょう。
まずは目の前の部下に目を向ける
先日、この世を去った名経営者・稲盛和夫さんの言葉です。これは、自分の可能性についてお話しされたときの言葉ですが、部下の可能性についてもいえることではないでしょうか。部下にはやりとげる力がある、無限に成長する力がある。そのことを信じ、信じていることを伝え、部下の頑張りを承認する。「ポジティブフィードバック」には、特別な技術は何も必要ありません。ただ、現代の部下を育成するには、上司やリーダーに欠かせないスキルです。
今回紹介した、3つの思考、あなたの中の、部下指導のイメージをいったん外し、まずは目の前の部下に目を向けましょう。人に見てもらい、信じてもらえてうれしくない人はいません。それが、上司やリーダーなら、なおさら励みになります。ポジティブフィードバックで、部下が持つ本来の能力、可能性を伸ばしていきましょう。
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