「部下が育たない上司」がやっているヤバい接し方 ポジティブなフィードバックを正しくするには

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『国際エグゼクティブコーチが教える 人、組織が劇的に変わる ポジティブフィードバック』より

ポジティブフィードバックをするには、「あるのが当然」から「あって幸せ」に意識を移すことが大切です。日常のさりげないことを感謝する意識を持つために、私は「Gratitude Journal」(ありがとう日記)を書いています。毎日1つから5つ程度、「これ、うれしいな。ありがたいな」と思ったことをリストアップするのみ。

そうすると、「シンプルなことをありがたいと思う」ようになります。「当たり前」を感謝するようにあなたの意識が変わることで、「できる」部下にポジティブフィードバックできるようになり、その部下はさらにあなたのチームのパフォーマンスに貢献してくれるかもしれません。

③「足りないところ」を「できる」に変えてあげるのが上司の役目

部下を指導する立場にいると、つい、「足りないところ」「できていないところ」を正しい方向に導いてあげたい、そう思うのではないでしょうか。自分のこれまでの経験から、後々助けになることを知っていれば、なおさらでしょう。そのため、つい、部下の「できていないところ」にばかり目が向いてしまうかもしれません。

上司やリーダーであるあなたの経験からの指導はたしかに貴重です。ですが、今や多様化の時代であり、個性を生かす時代です。これからますます社員としての活躍の仕方も変わっていくことでしょう。その観点からすると、「できないところ」を伸ばすよりも、「すでにできているところ」「得意なところ」を認めて、そちらをさらに伸ばしてあげることも、今の時代、上司の大切な役目といえます。

つまり、あなたにとって良かったこと、役に立ったことが必ずしも、今後役立つかどうかはわからないのです。言い換えると、あなたの時代にはまだそんなに活用されていないその部下の個性や特徴が、これからの時代、役立つこともありえます。

なので、まずは、部下のできているところに目を向けましょう。定期的に、「たまには『良いところ』だけを見てみよう」と自分に声をかけて、想像でいいので、「足りないところ」を発見するメガネを外し、「できているところ」が見えるメガネにかけ替えましょう。

私のチームのメンバーで、接客をすると、人一倍すばらしいけれども、その日のサービス内容をまとめるような日報を書かせると、間違えがあったり、遅れたりとデスクワークが苦手な人がいました。

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