「Zoomが使えない50代課長」が会社に招いた大損失 「え?Zoomって録画できるんですか?」
「日本企業の多くが、二世帯同居のような感じになってきた」
この話は、ある工務店の社長から聞いた。二世帯住宅をメインに手がける住宅メーカーの社長だ。このとき使われた”二世帯同居”という表現が気に入った。
「子ども世帯と親世帯がひとつ屋根の下で同居している。そんな組織が増えてきたというイメージですか」と私が聞くと、「そうだな」とうなずいたあとに、「昔のジェネレーションギャップと、今のジェネレーションギャップは次元が違う。とても相容れない」と社長は嘆いた。
働き方改革やコロナの時代となり、外部環境が急激に変化している。そして変化についていけない人が増加し、昨今の「黒字リストラ」「新種リストラ」に繋がっている(※将来を見据えた企業構造の再構築を目的として行われるリストラのこと。業績が好調でも組織の新陳代謝を目的として人員整理が行われるが多い)。
社歴が長く、人望が厚いベテランであるだけでは、組織を任せられなくなってきたのだ。
「二世帯同居はムリだから、当社では別居させている」
試行錯誤を繰り返し、結果そうなった、と社長は寂しそうに言った。「ベテランの組織」と「若手の組織」をあえて分けたというのだ。
ベテランと若手が入り交じる「二世帯組織」の特徴
組織の年齢構成を見れば、より理解しやすいだろう。「従業者規模別に見た、従業者の年齢構成(2020年 中小企業庁調べ)」を紹介する。
・29歳以下:20.9%
・30〜39歳:21.6%
・40〜49歳:26.7%
・50〜59歳:20.5%
・60〜69歳:9.1%
・29歳以下:18.8%
・30〜39歳:20.8%
・40〜49歳:25.8%
・50〜59歳:18.9%
・60〜69歳:13.0%
人口ピラミッドで表現すると、完全に「つぼ型(紡錘型)」。若い世代よりもミドル層が多い。中小企業だとより顕著だ(29歳以下が少なく、60歳以上が多い)。
私の支援先に創業8年のベンチャー企業があるが、従業員の70%以上が29歳以下。社長も40代前半。裾野の広い「富士山型」の人口ピラミッドになっている。一世帯組織だ。
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