「シルク・ドゥ・ソレイユ」を経て起業した彼女の今 五十川舞香さんが説く、Web3だから実現できる事
暗号資産においては事態はよりややこしくなり、アクセスするための秘密鍵と指示書が残されていない限り資産を回収することは非常に困難です。
実際に、このようにして失われた資産は数十億ドル(日本円にして数千億円)にも上ると言われています。
本来、Web3の技術は非常に安全性が高く、セキュリティーも堅固です。しかしその堅牢さこそが、ユーザーやユーザーの相続人に不利益を与えることもあります。
その代表例が、アクセス不能(パスワードやシードフレーズを忘れる、ウォレットを紛失する)、ハッキング(フィッシング詐欺、チェーン自体の脆弱性、秘密鍵の流出など)、そして死後の遺産相続です。
みんなのために、より安全なWeb3を
Webacyのミッションは、皆さんのデジタルライフを守り、管理し、継承していくためのインフラを未来社会のために構築すること。
“Webacy is making a safer web3 for everyone.”(Webacyは、みんなのために、より安全なWeb3を作ります)が私たちのスローガンです。
——Webacyとは具体的にどんなサービスなのでしょうか。
Webacyをひとことで表すならば、条件付き譲渡のスマートコントラクト(一定の条件に基づいて資産へのアクセス権を移譲する仕組み)を提供するインフラです。
ユーザーが行うことはシンプルで、自分のウォレットとバックアップ用のセーフウォレットを登録し、プロテクションプラン(トラブルが起こった場合の処理方法)を設定しておくだけ。
悪質なウイルスに感染したり、詐欺に巻き込まれたりしても、ワンクリックですべての資産を安全なウォレットに移動させられます。仮想通貨やNFTを一つずつ移し替える手間がなくなるのです。
遺産相続においても、基本的な考え方は同じです。ただ、これについては「本当にその方が亡くなっているのか?」の判定など、少しややこしい仕組みが関係しますので、あとに譲りましょう。