――日本とインドは協力しあってより良い方向に進んで行けますか。
インドと日本は世界のニーズに応えるために協力しあえると思います。インドには若いエネルギー、情熱と才能にあふれる人たちが、「不可能な事はない」という文化的土壌の中で切磋琢磨しています。かつ、そのような人の数も多大です。一方、日本は、品質の追及と実現に、特長をもっています。
このように、インドと日本は、異なる強みをもっていると思います。そのようなインドと日本の異なる強みを組み合わせることによってイノベーションを実現できると考えています。実際、18年に亘るソフトウェアのオフショア開発や、最近のビジネスでの連携からも、その組み合わせが素晴らしい成果を生み出しています。
インドの特長を表すエピソードとして、映画「きっと、うまくいく(原題:3 Idiots)」の一場面があります。就職面接のシーンで、エンジニアになる事を熱望している大学生が、一流企業の面接官に「あなたは、会社の中での立場を大切に思えば良いでしょう。私は、エンジニアとしての途を歩み続けます」と言ってしまう場面があります。インドのエンジニアの方々のエネルギーの象徴だと思います。実際、そのような情熱と積極的な心構えをもったエンジニアの方々と、一緒に仕事をしています。
インドのチームは優秀
――ご自身のビジネスシーンでは、具体的にどのように難題を乗り越てきましたか。
最も特徴的で、効果的だと思うのは、インドの方々の強みと、日本のチームの強みの組合せです。インドの方々には、即座に行動を起こしたり、失敗を恐れずに積極的に取り組む気質があります。日本や日立には、計画性、リスク管理、品質管理などでの強みがあります。それらを組み合わせて、より良い結果を生み出してきています。
――インドではどのような学びがありましたか。日本がインドについてより深く知るべきことがあるとすれば、それはどのようなことですか。
インドは、いまだに日本にとって、未知の国だと思います。同時に、日本は、インドにとって、未知の国だと思います。日本で最も有名なインド映画は、いまだに、「踊るマハラジャ」です。この映画が1995年の作品だという事をご存知ですか。日本は、インドの文化となると、いまだに20年前の映画を想起しています。最近の映画さえ、知られていません。
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