日立は、こうしてインド事業を2倍に増やす インドに根づいた活動を展開

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――インドの市場は日立にとって、どれほど重要なのですか。

 日立は、社会イノベーション事業に取り組む会社です。具体的には、電力、交通等、社会基盤の開発に取り組んでいます。私の所属する日立インドのソフトウェアグループの目標も、インドの社会基盤の改善に貢献する事です。

社会基盤の改善は、非常に重要です。日本も、過去、公害など、社会基盤の問題を経験しました。今、インドで、同じような問題が起きているかもしれません。社会基盤が不十分だからです。水、ゴミ処理など、インド自身も認識している問題ですが、対策は、容易ではありません。過去、日本で、起きた悲劇をインドで繰り返さないため、日本や日立が貢献出来る部分があります。

日立は、インドと共に、インドの社会基盤を開発しています。インドの未来の為です。ナレンドラ・モディ首相の注力点の一つに、スマートシティ構築がありますが、私自身も、その活動に寄与していく所存です。

――日立インドのソフトウェアグループが進める事業モデルの特徴は?

インドのお客様の課題や期待を、インドのパートナー企業群と学んでいます。インドのお客様をパートナー企業と共に訪問し、お客様の課題や、ビジネス環境を理解し、日立とパートナー企業がソリューションを提供出来る事を実証実験で証明した上で、パートナー企業と共にソリューション開発に進んでいます。

これは、従来からあるITのアウトソーシングモデルではありません。既存製品の共同での販売でもありません。日立とインドのパートナーと共に、お客様にソリューションを提供するエコシステムをインドパートナーと作っているのです。

日立に求められていること

――日本とインドのIT企業の連携は難しいとも言われます。それに対して、どう思われますか。

インドのIT企業群は、世界でITサービスの提供で成功してきました。同時に、ITサービスを越えた、新しいビジネス形態の構築を推進しているように見えます。一方、現在、日本とインドのITでの連携は、不十分だと言わざるを得ません。インドのIT産業の海外との連携の内、日本との連携は、2%以下だと言われています。
同時に、インドと日本が、異なる強みを持っている事から、両国の組合せで、新しい強みを社会に提供できると思います。

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