「日本の食産業」世界から遅れを取りかねない現実 国際コンクールから見える他国との大きな差

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また、今年からは新しい試みとして、YouTubeを通じてのクラウドファンディングが行われた。料理レシピを美味しく、詳しく、楽しく解説する人気料理ユーチューバー、城二郎さんとのコラボ動画配信などにより、ボキューズ・ドールの日本チームも使用する高性能まな板をクラウドファンディングで販売。結果、898人が購入し、1399万円の売り上げを上げた。その10%が取り分となるので、利益としては140万円になった。

金額としては大きくないが、こうしたYouTubeにおける活動は、具体的な資金集め以外にも、ボキューズ・ドールを普及させる側面もあり、重要である。第二段としては包丁を販売の予定で、これは倍額以上を期待しているという。

とはいえ、まだ2000万円弱が足りない。ボキューズ・ドール本部も、これから本腰を入れて営業に回るそうだが、スポンサードする方にはどんなメリットがあるのだろうか。

代表選手によるイベントのタイアップ協力。サンプリング・開発調査協力、ボキューズ・ドール国際料理コンクールのブランド使用権、企業名・ロゴの掲示などである。こうして考えてみると、ボキューズ・ドールの認知度が上がることによって、スポンサードの価値が上がるとも言える。

他国はケタ違いのお金を集めている?

一方、ボキューズ・ドールの常勝国とも言える、本国フランスなど海外では億単位のお金が投じられていると言われている。文化庁のような、国から直接出ているのか、国の後押しがある企業からなのかははっきりしないが、潤沢であることはまちがいないと関係者たちは口を揃える。

それは、国や企業が、ボキューズ・ドールで上位に入賞することが、大きく言えば、どれだけの国益につながるかを、よく理解しているからなのであろう。

例えば、前々回の大会ではアメリカが優勝したが、その際には、クレジットカード大手のビザやマスターがスポンサーをしており、選手たちは会場に大きくロゴが描かれたリムジンで乗りつけたというから、料理機材を手持ちで運ぶ日本チームとはスケールが違う。

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