「日本の食産業」世界から遅れを取りかねない現実 国際コンクールから見える他国との大きな差

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日本がボキューズドールのアジア予選に提出した「豆腐料理」(写真:ひらまつ提供)
日本がこれまで優勝したことがない、世界最高峰のフランス料理の世界大会「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」。2年に1回、1月に開催される同コンクールには世界各国から一流シェフが集まる、まさに「美食のワールドカップ」だ。
次回は2023年1月に開催される予定で、日本はこの大会での優勝に向けてトレーニングに励んでいるが、実は資金や人手、調理道具の調達など解決が必要な課題は少なくない。本連載ではそんな日本の挑戦を本戦まで追う。今回は日本が直面する資金繰り問題と他国との資金面での差についてお伝えする。

常勝国がアジア予選で落ちた

アジア予選の結果メールがきたのは7月21日の夜。見事“予選通過”の通知だった。参加国は14か国、予選通過は、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの5か国だ。順位は発表されていないのでわからないが、常勝国である、タイとシンガポールが落選したことから考えても、厳しい戦いであったことは想像に難くない。

今回のテーマは豆腐だが、ここで改めて提出した作品を見てみたい。

中央が幾重にも層をなしたアーチ型の豆腐。樋型の中に薄くスライスした自家製の豆腐を敷き、トリュフのシートをのせ、また豆腐を重ね、次にジロール茸のペーストを塗り、また豆腐をのせと、豆腐と茸を層にした。付け合わせは、燻製をかけたサントモール(山羊のチーズ)の上に絹ごし豆腐のピューレを絞り、キヌアを散らしたものや、青りんごのジュースを流したタルトにパースニップのピューレを絞り、グリーンピースをあしらったものなど(写真:ひらまつ提供)

写真からも手の込んだ料理であることが充分に伝わってくるが、実は、この前の段階の石井氏の作品は、ムース状にした豆腐の中に細工がしてあり、表面にソースがかけてあるものだった。外側からは真っ白で中は見えない仕掛けだが、これでは当然、写真では中身が伝わらない。そこを浜田氏に指摘されて、紆余曲折ののち、最終の形に行き着いたのだという。

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ところで、ずっと悩ましいのが資金繰りの問題だ。いったい総経費として、いくらあれば、ボキューズ・ドールに参加できるのであろうか。長年、ボキューズ・ドールのパートナーシップを務め、事務局も支援するひらまつグループによると、経費はざっと4000万円に上るという。

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