日本がこれまで優勝したことがない、世界最高峰のフランス料理の世界大会「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」。2年に1回、1月に開催される同コンクールには世界各国から一流シェフが集まる、まさに「美食のワールドカップ」だ。
次回は2023年1月に開催される予定で、日本はこの大会での優勝に向けてひらまつグループの「アルジェント」で腕を振るうシェフ、石井友之氏がトレーニングに励んでいるが、実は資金や人手、調理道具の調達など解決が必要な課題は少なくない。本連載ではそんな日本の挑戦を本戦まで追う。今回は突然決まった、アジア予選の様子をお伝えする。
日本は無条件で本戦へ行けるはずだったが…
フランスで開催される本戦へのアジア代表国が決まるアジア・パシフィック大会だが、今年は今までに類を見ない形での開催となった。4月の頭までは、コロナ禍のためアジア大会は中止、直近の大会の順位を踏襲するというアナウンスが流れていた。つまり、前々回の日本の1位を踏襲し、日本は自動的に世界大会の本選に進める予定だった。
ところが突如、4月の半ばに、アジア大会が行われるとの通知があった。当該国以外から、それでは不公平だという声が上がり、フランス本部がその意見を採択したという経緯だ。これにより過去と同じようにアジア予選で、本戦と同じような実技審査が行われることになったのである。
ただし今年は、上海のロックダウンの影響もあり、大会に審査員が出向くのではなく、作品となる料理写真とレシピ、さらに2分のイメージ動画をフランスに送り、ジェローム・ボキューズ氏、レジス・マルコン氏などの重鎮審査員が採点を行うという方式に決まった。
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