実際にやってみると、例えば次のような構成になります。
「〇〇の本を読んで△△の場面が印象に残りました。なぜなら、その場面が私の過去に体験したことと似ていたからです。去年の8月におばあちゃんの家にあそびに行ったとき、☓☓☓という出来事がありました。そのとき私は「(心情表現)」と感じました。本書の△△の場面で・・・・という部分と同じ気持ちです。たぶん本書の主人公も私と同じような気持ちでいたのだと思います。そう考えると……」
もちろんこれだけでは文章量が少ないため、さらに肉付けされた文章とする必要はあります。
印象に残った部分を2つ、3つと増やしてくことも可能です。読書感想文は「本のあらすじ」を書くのではないことに注意してください。それだと感想にはなっていないためです。
子どもに口頭で問いかけてみる
しかし子どもにこのフォーマットを教えても、1人では難しい子も当然います。そのような場合は、次の順で「口頭による問いかけ」をしながら、子どもがメモを残す形をとってみてください。
(問いかけ その1) どの部分がいちばん印象に残った?
→本が好きではない子で最後まで読めない子もいますが、そのような子でも読書感想文を書くことはできます。1冊すべて読まなくても印象に残った部分が重要であって、全体の「あらすじ」を書くのではないと考えれば、気が楽になると思います。
印象に残った部分は、1つでもいいですが、できれば3つぐらいあるといいでしょう。なぜなら以下の3と関係するからです。
(問いかけ その2) どうしてそれが印象に残ったの?
→子どもは大抵「何となくそう思った」と答えると思いますが、次に「どの部分(言葉)からそう思ったの?」とさらに深く問いを続けていき、可能な限り言語化していきます。
(問いかけ その3) 過去に同じような経験したことあるかな?
→上記の1で出てきた印象に残った部分と、同じような気持ちになった経験があるかどうかを聞きます。
初めは思い出せないと思いますので、「例えば去年の夏、おばちゃんの家に行ったときに似たようなことなかった?」など、思い出すきっかけとなりそうなことを聞いてみてください。もしどうしても出てこなければ、自分の経験と重ね合わせられる別の部分を取り上げます。ですから1で書いたように、3カ所ぐらい出しておくと、行き詰まりにくいです。
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