8月にも大きな波が来る。原油価格は容易に100ドルを割らない《アフリカ・中東政情不安の影響/専門家に聞く》


 サウジには憲法がなく、議会もない。国民の政治的な自由が認められていない。国民の結社の自由、集会の自由もないため、そうした政治参加を求める動きがすでに出ている。

その最初の動きとして、2月7日に大学の教授や弁護士、人権活動家ら10人が中心となってイスラム共同体党という政党を結成した。そして同月9日にアブドラ国王にこの政党を認めてほしいとの書簡を送ったが、16日に全員が拘束された。釈放の条件は解党だった。

そうした中で、3月11日金曜日を怒りの日としてデモをやろうと、大学教授など知識人100名強が連名で、フェイスブック上で呼びかけている。彼らの要求は憲法を作り、国民投票によって国民議会をつくる。国王が首相を兼任するのをやめ、首相は国会が決めるといったこと。こうした要求にサウジの政府側がどう対応するか。それ次第では大規模なデモになりうる。

椎間板ヘルニアで療養中だった国王は2月23日に急きょ、帰国し、金利ゼロの住宅ローンの枠を大幅に増やし、公務員給与を15%引き上げるといった経済対策を策定し、国民の不満をなだめようとした。

これらは経済的な対策であり、政治・社会的要求にどう応えていくかは不透明だ。国民の不満を吸い上げるような政治的システムをどう作っていくのかがポイントとなる。

ただ、そうした知識人も、サウジの王国体制を倒そうとしているのではなく、立憲君主制にして、国王は象徴に近い存在として政治にあまり口を出さないという形を求めている。それにどこまで譲歩できるかだ。

サウジは世界の原油埋蔵量の2割を占めており、日本の原油輸入先の3割を占める。OPECの余剰生産能力540万バレルのうち320万バレルをサウジが占めていた。サウジが増産すれば、供給不安が強まっても量的には何とかなるとの安心感があった。
 
 実際、リビアの供給不安で80万~90万バレル増産しているようだが、混乱が拡大すれば、これが失われる懸念があり、「第三次石油危機」の状況が見えてくることになる。

■サウジは7割の確率で政権維持、しかしバーレーン崩壊ならドミノ化濃厚

--そのリスクの大きさをどう考えればいいのか。

サウジは現在の王国が3つ目となる。第1次サウジ王国は1744年に建国し、1818年で滅びた。第2次サウジ王国は1824年にできて、1891年まで続いた。そして今の第3次サウジ王国は、1902年に初代国王がリヤドを奪還し、1932年9月に全国制覇してサウジを建国した。

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