8月にも大きな波が来る。原油価格は容易に100ドルを割らない《アフリカ・中東政情不安の影響/専門家に聞く》

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--リビアの政権崩壊のインパクトは。

一つは政治的なインパクト、もう一つは石油に関わるインパクトが考えられる。

政治的インパクトでは、強権国家のリビア崩壊で、比較的強権でない国の民衆が勇気づけられ、政治・経済改革を要求して反政府デモを強めるだろう。また、同様の強権的な国家であるシリアやイランにも波及し、大きな争乱が起きるのではないか。

石油へのインパクトでは、リビアは当面混乱するため、今のように生産量が半分の状況が続けば、輸出先の80~85%を占めるイタリアやドイツ、フランスなどの欧州のマーケットがタイトになってブレント価格を高止まりさせ、他の米国のWTIや中東産ドバイ原油が上がるということになる。そうすると、米国や日本などのガソリン価格が上がり、石油製品価格にも反映されて、世界経済の下振れリスクが高まる。

--リビアの反体制側が油田を支配しても、生産は戻らないか。

リビアの石油生産は基本的に外資との合弁。従業員も外国から来ている。彼らが全部出て行ったため、現政権が倒れても内政が安定しているかどうかが問題となる。安定が遅れれば、石油生産は停滞したままとなるだろう。

カダフィ体制崩壊後も受け皿が一本化するかもわからないし、カダフィ派の残党が事件を起こすかもしれない。そういう状況がある限り、正常化は難しいので、月単位で情勢を見守ることになるだろう。

■焦点はサウジへの波及、目先は3月11日のデモ注目

--今後の焦点は。

やはりサウジアラビアに本格的に波及するかどうか。

現在、バーレーンで国民の70%を占めるシーア派が政府に圧力をかけているが、同国には米国の第5艦隊もあり、米国の要請も受けて暴力的な対応をやめ、対話しようとしている。これが反政府派を勢いづかせ、最初は首相交代など穏健的な要求だったのが、最近は王国体制自体の変更を要求するまでになっている。

そのシーア派の住民がサウジの東部にも人口の15%の200万~300万人程度いる。東部はサウジの油田地帯であり、国営石油会社アラムコの従業員の最低40%はシーア派。バーレーンでシーア派の要求が通れば、同様に経済的、社会的な差別待遇を受けているサウジのシーア派の住民も同様の要求を行い、場合によっては労働争議が起きて石油の生産・出荷が一時的にも止まるような可能性がある。それがいちばんのリスクだ。

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