「私はブサイク」と思う人が人生をムダにする理由 ロレアルに1500億円で会社を売った起業家の話

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自身の経験で得た気づきから、化粧品会社を起業した女性の経緯とは(写真:bee /PIXTA)
「あなたのような見た目の人から化粧品を買う女性がいるとは思えない」と投資家に告げられてもはい上がり、ついには、化粧品最大手のロレアルに約1500億円という巨額で自社を売却するに至った女性起業家の自伝『Believe It  輝く準備はできてるか』がついに翻訳出版された。
著者は自分の容姿に自信がなく、皮膚疾患を発病して苦しんだ経験から、同様の悩みを持つ女性は多いはずという気づきを得て、その悩みを解決するための会社を立ち上げると決意する。そこまでの心の動きを、抜粋・編集してお届けしよう。

酒さを発症したときに私がまずしたこと

朝のニュース番組でキャスターを務めていた20代後半の頃、私は酒さ(しゅさ)と呼ばれる皮膚疾患を発症した。この遺伝性の疾患は、顔に赤みが出るのが大きな特徴だ。

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時にはブツブツができたり、荒れて紙やすりのようなザラザラした質感を伴ったり、リンゴほどの大きさに広がることもある。

頬が真っ赤になることがあるせいで、スーパーで行き会う見ず知らずの人から、「日焼けしたの」とか、「ご機嫌ね」と声をかけられたこともあった。私は人目を気にするようになった。

皮膚科医からは、治療法は確立されておらず、発症した際の重症化を抑える方法がいくつかあるだけだと説明された。

これを隠したいと思った私は、時間とお金をつぎ込んで、手に入るファンデーションとコンシーラーを片端から試していった。ドラッグストアの商品はもちろん、予算オーバーではあったけれど、お金を貯めて、デパートで売られている高級ブランドもいくつか試した。

プライムタイムのキャスターについている、専属のメイクアップアーティストにも助けを求めた。彼らが知っている解決法や商品もすべて試したけれど、どれも効果はなかった。

どの商品も、カバー力が今一つ足りないか、カバー力はあっても、まるでお面のような厚化粧になってしまうのだ。

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