酒さを発症したときに私がまずしたこと
朝のニュース番組でキャスターを務めていた20代後半の頃、私は酒さ(しゅさ)と呼ばれる皮膚疾患を発症した。この遺伝性の疾患は、顔に赤みが出るのが大きな特徴だ。
時にはブツブツができたり、荒れて紙やすりのようなザラザラした質感を伴ったり、リンゴほどの大きさに広がることもある。
頬が真っ赤になることがあるせいで、スーパーで行き会う見ず知らずの人から、「日焼けしたの」とか、「ご機嫌ね」と声をかけられたこともあった。私は人目を気にするようになった。
皮膚科医からは、治療法は確立されておらず、発症した際の重症化を抑える方法がいくつかあるだけだと説明された。
これを隠したいと思った私は、時間とお金をつぎ込んで、手に入るファンデーションとコンシーラーを片端から試していった。ドラッグストアの商品はもちろん、予算オーバーではあったけれど、お金を貯めて、デパートで売られている高級ブランドもいくつか試した。
プライムタイムのキャスターについている、専属のメイクアップアーティストにも助けを求めた。彼らが知っている解決法や商品もすべて試したけれど、どれも効果はなかった。
どの商品も、カバー力が今一つ足りないか、カバー力はあっても、まるでお面のような厚化粧になってしまうのだ。
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