ニュースキャスターとして生放送の番組に出演していたときには、こんな経験もした。プロデューサーが、イヤホンを通してこう言った。
「顔に何かついてるよ。ふき取ってもらえるかな?」
それがふき取れるようなものでないことは、私にはわかっていた。テレビ局の強烈なHDライトの下でメイクが崩れ始め、隙間から真っ赤な酒さが見えていたのだ。
頭の中から聞こえる自己不信の声
これはものすごく恥ずかしい出来事だったし、不安を感じたきっかけでもあった。頭の中に流れる自己不信の声が、他人には決して言わないようなことを私に告げてきた。
あなたはかわいくない。
あなたのキャリアはダメになる。
あなたを見たら視聴者はチャンネルを替える。
視聴率が下がってクビになる。
この手の内なる批評家は誰の中にもいるだろう。彼女って、ホント最高じゃない?
私はこの化粧品問題を解決する必要があった。隠すものなどない肌なら、見映えをよくする化粧品を見つけることは簡単だ。けれど、超敏感肌だったり、色素沈着をおこしていたり、キメが整っていなかったりすると、効果のある化粧品を見つけるのは難しいことに気がついた。
こうして悪戦苦闘しているとき、アメリカの著名なテレビ司会者オプラ・ウィンフリーが「アハ体験」と呼ぶような、ある考えが浮かんだ。
私のように自分に合った化粧品を見つけられずにいる人が、ほかにもたくさんいるに違いない。もしかすると、彼女たちは、そんな化粧品を探し出すことにきっぱりと見切りをつけてしまっているのでは?
私の探求は、肌に合うファンデーションを見つければ終わり、というものではなかった。
化粧品会社は数えきれないほどあるけれど、私のような肌トラブルを抱える女性の声を取り上げようとするところはどこもなく、私のような肌の女性の画像を広告に使用して商品を販売するところもないと気がついたのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら