「あなたのような見た目の人から化粧品を買う女性がいるとは思えない」と投資家に告げられてもはい上がり、ついには、化粧品最大手のロレアルに約1500億円という巨額で自社を売却するに至った女性起業家の自伝『Believe It 輝く準備はできてるか』がついに翻訳出版された。原書はNYタイムズ、ウォールストリートジャーナル、 USA TODAYでベストセラー入りを果たし、話題書となっている。
渾身の商品が売れず、苦しんでいた創業者のジェイミーは、ついに、アメリカ最大のテレビショッピング番組QVCに出演して、商品を紹介するチャンスを得る。ようやく獲得した10分間のチャンスをどう活かすか。専門家のアドバイスと自分の信念との狭間で迷うジェイミーの心理を、抜粋・編集してお届けしよう。
専門家からのアドバイス
10分間の一発勝負で成功をつかむ。そのために、私たちは外部の専門家数名と面会した。コンサルタントの面々は、テレビで首尾よく販売するための方法を出演者に伝授する仕事で生計を立てていた。
誰もがまったく同じアドバイスをくれた。
彼らは言った。うまくやる唯一の方法は、選り抜きのモデルたちを使って商品をアピールすること。20代前半の、非の打ち所がない美肌のモデルを使うことだ、と。
私はこんな質問をぶつけた。
「わかりました。でも、非の打ち所がない美肌の人にコンシーラーを使う意味って何ですか?」
「私みたいな肌トラブルを抱える人がそれを見た時、この商品は自分に効果があるって、どうしてわかるんですか?」
「私が自宅で番組を見ている70歳の女性だとして、20歳の子が商品を使うのを見て、自分に効果があるかどうかなんてわかりませんよね?」
私は、視聴者が自分の年齢や肌色、肌タイプに合うことを確認できるように、多様なモデルを使って商品を見せたいと思っていた。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら