｢美人以外お断り｣の美容業界に風穴開けた10分間 ｢Believe It｣著者がすっぴんで訴える美の変革

そう、それが車の中で私がしたことだ。私は神様に祈りをささげて、私からこの重荷を取り除いてほしいとお願いした。私が賭けているものは、自分には耐えられないほどの重さだと実感していた。

私はどうすべきか教えてほしいと頼んだ。

成功へのベストチャンスをつかむために、専門家たちのアドバイスに従うべきだろうか？ 結局、彼らには専門家たる理由があるのだから。

それとも自分の直感に従って、業界に変化を起こし、女性たちが目にする「美」の象徴の定義を見直すために、ひと肌脱いでみるべきだろうか？

それを直感や本能と呼ぶ人もいるし、神や宇宙と呼ぶ人もいるだろう。レンタカーの中で何日も祈りをささげ、その答えに耳を傾けようとしているうちに、私にはそれがはっきりと見えてきた。

すっぴんで行こう

私は心を決めた。QVCの生放送、10分間の一発勝負で、すっぴんの「使用前」の写真をさらけ出し、私たちの商品があらゆるタイプの女性にどれほどの効果があるのかを見せることにした。

私の母や祖母のような女性たち。姉妹や友人のような女性たち。カフェで働くジェーンのような女性や、郵便局で働くジェニファーのような、リアルな女性たちだ。

仮にうまくいかずに、QVCでの成功をふいにすることになったとしても、より大切なことを示すチャンスをムダにするつもりはなかった。

私が彼女たちを心から美しいと信じていること、彼女たちには美しいと感じる資格があると信じていることを示すというチャンスを。

「美人モデル」はすべての女性であるべきだと示すために、私は手にした一度きりのチャンスを使うつもりだった。すべてを賭けて、思いきってやってみるつもりだった。

本気で言うのだけれど、女性や少女が繰り返し目にする唯一のモデルの写真が、自分たちとかけ離れていたら、どうやって自分のことを美しいと思えるのだろう？

何が起ころうと、見ているみんなのために、私は1つの目標を掲げることに決めた。私は、すべての女性に美しいと感じてほしかった。すべての人に美しいと感じてほしかったのだ。