安倍元総理の「人の心を惹きつけるスピーチ力」 コミュニケーションの主役は自分ではなく相手

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ドナルド・トランプ前大統領とも関係をうまく築いた安倍元総理。彼のコミュ力について解説します(写真:Yoshikazu Tsuno/©2019 Bloomberg Finance LP)
日本を代表する一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれている。
その岡本氏が、全メソッドを初公開し、15万部を超えるベストセラーとなった『世界最高の話し方――1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』に続き、このたび『世界最高の雑談力: 「人生最強の武器」を手に入れる! 「伝説の家庭教師」がこっそり教える 一生、会話に困らない超簡単50のルール』を上梓し、発売3日で3万部を突破するなど、早くも話題を呼んでいる。
コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「凶弾に倒れた安倍晋三元総理の愛された理由」について解説する。

「これほどまでに世界で評価されていたのか」

安倍晋三元総理の悲劇的な死は日本のみならず、世界中を衝撃に包みました。

その政治手法については、賛否は分かれましたが、憲政史上最長の宰相として、多くの功績と足跡を残したことは間違いありません

「安倍はナショナリストと称されたが、彼は、インド太平地域の集団安全保障の枠組みを築くなど、優れた『インターナショナリスト』として記憶される価値のある人である」(アトランティック)

「安倍は、世界の舞台で傑出した人物であった」(CNN)

「安倍は日本の政治の青写真を作った。日本の国益を守るため、アメリカのリーダーとも親交を深めた。安倍は『ノスタルジア』を政治的ツールとして使いながら、日本を再興し、アジアの盟主としての地位を取り戻そうとした」(NPR)

世界のメディアがこのニュースを大々的に取り上げ、各国の首脳も口々にその死を悼みました。

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ブリンケン・アメリカ国務長官をして「彼はビジョンの人であった」と言わしめ、ニュージーランドのアーダーン首相は「最初に会ったときに、彼は私のネコの死について慰めてくれた」といったエピソードを披露するなど、際立った「惜しまれぶり」が印象的でした。

「二流国になり下がった」と自信を失いつつある日本国民にしてみれば、この国のかつてのリーダーが「これほどまでに世界で評価されていたのか」と驚くレベルです。

各界に幅広く輝かしい親交を誇った人ゆえに、今後、無数の評伝がつづられることになるでしょうが、ここでは、彼の「コミュニケーション力」という側面にスポットを当て、「なぜ、ここまで強烈に愛され、そして嫌われたのか」について考えてみます。

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