日本はイスラームの「性差別」を責められるか

案外多い「共通点」とは

イスラームの「女性差別」を考えるとき、日本社会が抱える問題も見えてきます(写真:Yellowj / Imasia)
アベノミクスでも注目を浴びる、「女性の活用」。一見、聞こえのいいこの言葉、実は大きな問題をはらんでいるという。本連載では、そんな「男と女」にかかわるさまざまな問題を、異色の男性ジェンダー論研究者が鋭く斬る。

 

イスラーム社会というと、一夫多妻制で、女性がヴェールをかぶり、行動が制限され、学校にも行かせてもらえないといったイメージを持つ人も多いでしょう。そうした事象がないわけではありませんが、すべてのイスラーム社会がそうなのではありません。また、よく考えてみると、日本社会の性差別と大して変わらないのはないかと思われるのです。

今回はイスラームの一夫多妻制、ヴェール、女性の就学といった問題を入り口にします。そして、それを日本と対照させながら考えてみましょう。案外、共通の問題点が多いのです。

なお、東洋経済の表記ルールでは「イスラム」、「コーラン」なのですが、日本の専門家の表記にしたがって、原音に近いイスラーム、クルアーンという表現を使っております。

一夫多妻制はイスラームの専売特許ではない

まずは一夫多妻制です。クルアーンの4章3節によれば、ひとりの男性は4人まで妻を持つことが許されています。しかし、現実にこの規定を適用して一夫多妻制を制度として認めている国は、さほど多くありません。むしろ現在では、大半のイスラーム社会は一夫一婦制です。

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