「不倫」した人は、公に罰せられるべき?

著名人の不倫報道という「リンチ」

不倫は「社会的制裁」に値する行為なのでしょうか?(写真:wavebreakmedia / Imasia)
アベノミクスでも注目を浴びる、「女性の活用」。一見、聞こえのいいこの言葉、実は大きな問題をはらんでいるという。本連載では、そんな「男と女」にかかわるさまざまな問題を、異色の男性ジェンダー論研究者が鋭く斬る。

 

日本社会では、不倫の報道をもってニュースキャスターを降板させられたり、公職を解かれたりといったことが珍しくありません。法的制裁という水準以前に、社会的制裁という形で不倫が裁かれています。このことを、私たちはどう考えればよいのでしょうか? 不倫は許されてはならない行為なのでしょうか?

結論から言えば、不倫は犯罪ではありません。さらに言えば、性差別でもありません。1999年、不倫が原因で当時の東京高検の検事が辞任に追い込まれた際に、最高検の次長検事が「浮気で辞職しなければならないとなると、人の目ばかり気にするようになり、職場の活力を奪うことになる」という主旨の発言をして、話題となりました。

これに対して、女性の国会議員が連名で「女性蔑視」と批判したことがあるのですが、これには強い違和感を覚えました。「不倫」は少なくとも性差別ではない、と私は考えます。

犯罪でも性差別でもない以上、当事者同士の問題はともかく、公に罰する必要はないのではないでしょうか。少なくとも、アナウンサーや公職の立場を奪うといった、いわば「リンチ」の対象になるべきではないと考えます。

前回、一夫多妻制を考えた際に、日本の旧刑法の姦通罪について論じました。まずはこの点を出発点として、不倫がどうとらえられてきたかを考察し、さらに現代の日本社会で不倫をどのように解釈すべきなのか、考えてみましょう。

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