「イスラム国」の本質とは、いったい何なのか

"時代錯誤"にみえる演出は戦略かもしれない

イスラム国(ISIS)からの解放を訴える、日本人ジャーナリスト後藤健二さんの母(写真:AP/アフロ)

われわれ日本人にとって、中東という地域は直視することが難しい存在である。欧米的なフィルターを通して見ることも多いため、なじみ深い価値観との違いにばかり目が向かい、不可解で危険な存在と断定してしまうことも多いだろう。

本書(『イスラム国 テロリストが国家を作るとき』文藝春秋)のテーマとなっている「イスラム国」という存在についても、数多くの残虐な振る舞いがニュースやソーシャルメディアを通して喧伝され、その本当の姿をわれわれは知らない。だがわれわれが彼らの歴史を知っている以上に、彼らはわれわれの歴史をよく知っているようだ。

これらのバイアスを一度リセットし、むしろわれわれにとって既知なるものとの類似性を対比することで評価を定めて行こうとするのが、本書である。

きっかけはテロ組織幹部との面会

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著者はテロ・ファイナンスを専門とする女性エコノミスト。そのような専門領域があったこと自体驚きなのだが、そこに行き着くまでの彼女のエピソードも面白い。かつて幼なじみの友達がテロ組織「赤い旅団」の幹部として逮捕、面会に行った時に彼女の話し方が投資銀行員とそっくりであることに気づき、それがテロ組織のファイナンス調査を始めるきっかけになったという。

そんな経歴を持つ人物だからこそ気づきえた、「イスラム国」の真価とはどのようなものであったのか。

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