①有価証券の含み損、②保証依存度、③自己資本比率という個別指標でランキング。経営リスクが大きい地方銀行をあぶり出す。
「まさに時限爆弾ですよ」。
ある地方銀行の財務担当者は、2021年度の地銀各行の決算を眺めながらそうつぶやいた。この財務担当者が“時限爆弾”と表現したのは「その他有価証券評価損益」だ。
地銀は、金融緩和で日本国債の利回りが低迷する中、少しでも高い利回りが望める外国債券の運用を積極化してきた。
ところが、足元で米金利が上昇し、外債の価値が急減。「2021年度の業績がよく、余裕のあるうちに損切りができた」(冒頭の財務担当者)という地銀もある一方で、収益基盤の弱い銀行は含み損を抱え込むことになってしまった。
米国の利上げは今後も続く見通し。となれば、含み損はますます拡大し、場合によっては減損処理が必要になる。それゆえ、時限爆弾とみられているわけだ。各行の決算を細かく見れば、そうしたリスクが如実に浮かび上がってくる(2021年度の全国99行の地銀決算から作成した「衰弱度」総合ワーストランキングはこちら)。
14行が含み損抱える
ここでは、懸念される地銀の3つのリスクについて、個別のランキング形式で見ていこう。
まずは、冒頭でも触れた、その他有価証券評価損益の指標だ。下表では、2021年度決算で含み損を抱えた14行を並べた。
最も含み損が大きいのは栃木銀行。前年度から含み損を抱えていたが、それが大幅に拡大した形だ。2位以下を見ていくと、SBIホールディングスと関係する地銀の名前が、ずらりと並んでいる。SBIを頼って拡大した外債投資が、地銀の首を絞めていることがよくわかる。
2つ目の指標は、「保証依存度」だ。
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