株主は特別配当の実施を京都銀行に要求。定時株主総会での議案記載を拒否した場合、海外投資家は「臨時株主総会開催の手続きを取る」としている。
日本の上場企業に対する物言う株主の注文は日常茶飯事だが、その矛先が地方銀行にも向き始めた。
注文を付けたのはイギリスの運用会社であるシルチェスターだ。4月25日、京都銀行に対して特別配当の実施を求める催告書を送ったと公表した。6月に開催予定の定時株主総会の議案として記載することを求めている。
京都銀行がこれを拒否した場合、シルチェスターは「臨時株主総会開催の手続きを取る」とリリースに明記しており、 京都銀行株を10年以上保有するという海外投資家の注文をないがしろにはできない状況だ。
東洋経済の取材に対して京都銀行は「(シルチェスターからの)書簡が届いていることは認識している。対応についての回答は差し控える」と回答した。
1兆円を超える有価証券の「含み益」
シルチェスターは4月に入り、岩手銀行、滋賀銀行、中国銀行にも特別配当実施を求めたことを公表している。だが、臨時株主総会の開催まで言及したのは京都銀行だけだ。
この背景には、京都銀行ならではの事情があるといえる。収益における有価証券運用への依存度が高いのだ。
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