北國FHDがひねり出した「資金1000億円」の使い道 システムや経営戦略、蓄積したほかの地銀にも

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ROE8%、PBR1倍。メガバンクでさえ苦心する目標を掲げたのが、石川県地盤の地方銀行グループ、北國フィナンシャルホールディングスだ。2020年から指揮を執る杖村修司社長に話を聞いた。

インタビューに答える北國FHDの杖村社長
北國FHDの杖村社長は市場を驚かせた資本政策の狙いを明快に語った(記者撮影)

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2022年4月28日、アップデートした経営戦略で資本政策を打ち出すと株価が急伸(詳細はこちら)。現在は2022年初めから倍近い水準だ。強烈な企業価値向上策を打ち出した狙いはどこにあるのか。杖村修司社長に聞いた。

 

――4月の株価急騰は想定内ですか。

ここまでとは思っていなかった。(経営戦略の改定版と)自社株買いを同時に発表したため、ある程度は株価に反応するとは想定していた。実際は、2~3年かかると思っていた水準に、あっという間に到達した。

北國FHDのIR資料
4月に公表した中長期経営戦略の改訂版では、企業価値向上に向けた方策を冒頭に打ち出した(記者撮影)

時価総額が3000億円程度はないと、アナリストや機関投資家に注目してもらえない。 地銀だったら、千葉銀行、コンコルディア・フィナンシャルグループ、静岡銀行などだ。

当社もこれまで投資家に面談を申し込んできたが、「時価総額1000億円程度の地銀には興味がない」と断られていた。それが今では、投資家の側から面談の依頼が舞い込んでいる。

今回発表した中長期経営戦略のアップデートでは企業価値向上策を強調したが、中身は従来から検討・推進している施策だ。(地銀特化ファンドを運用する)当社の大株主、ありあけキャピタルからの助言もあり、施策の内容を資料の冒頭で簡潔に記したことが奏功したのだろう。

国際基準行でいることに「違和感」があった

――とりわけ注目を集めたのが、唯一の海外支店であるシンガポール支店の廃止です。これで、国際基準行の規制対象外となります。

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