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全国地銀99行「衰弱度」総合ワーストランキング 2021年度決算を基に財務健全度などを徹底分析

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最新の決算を分析。財務や収益性が弱く、今後の再編候補となるのはどこか。

全国に99ある地方銀行の決算書を徹底分析した(写真:編集部撮影)

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「コロナ禍によって、足元の業績は好転した」。ある地方銀行の財務担当者は、経営の内情についてそう語る。実際に2021年度決算を見ると、地銀99行の純利益合計は、23.1%の増益という結果になった。

構造不況に陥っているはずの地銀が、いかにしてコロナ禍をしのぎ、業績を好転させたのか。その主な要因の1つが、信用保証協会の保証付き融資だ。貸し倒れが発生した際の損失が補塡されるため、地銀はリスクを負わずに収益が底上げされている。

特需の一巡で過去の融資が焦げ付くリスクも

ただ、この特需も一巡し、2022年後半から2023年にかけて、融資の返済は本格化する。返済できずに息切れする会社が現れ、過去の融資が焦げ付くリスクもある。

ジリ貧の構図が依然として変わらない中で、今後生き残ることができる地銀はどこなのか。東洋経済では、地銀全99行の個別決算を分析。最新決算を基に、地銀衰弱度ランキングを作成した。健全性、収益力、リスクテイク度に関するデータを抽出し、点数化。総合得点の低い順に並べている。

中でも重視したのは健全性で、配点を合計50点と高く設定した。さらに今回は、制度融資をはじめとする保証付き融資への依存度も採用した。

ワースト1位は福井県の福邦銀行。すでに福井銀行と経営統合済みだが、収益面の苦しさが響いた。2位のスルガ銀行は、不良債権比率が断トツで高いことが主因だ。

衰弱度が高い地銀ほど再編のうねりにのみ込まれやすく、今後の動向に注目が集まる。

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