金融庁が定義する厳しい利益指標。コア業務純益と共に「稼ぐ力」を見る重要な数字だ。
銀行の収益力を見る上で、金融庁が重視している数字が「本業利益」だ。今回の特集で作成した「総合ランキング」でも収益性を評価する指標の1つとして使っている。
本業利益は金融庁が定義した(貸出残高×預貸金利回り差+役務取引等利益ー営業経費)で指標で、銀行の決算短信には記載されていない。「コア業務純益」に含まれる有価証券の利息配当金などを除外しており、より厳しい条件で算出される。つまり、銀行が融資と手数料のみで稼げているかを見る指標だ。
下の表は、最新の2020年度決算から地銀100行の本業利益を算出し、低い順に並べたもので、30の地銀が赤字となっている。ワースト1位は新潟県の第四北越銀行。合併直後ということもあり、費用が多くかかっていることが主因とみられる。2位の十八親和銀行も同様だ。
3位以下を見ると、規模の大きい銀行でも本業利益が赤字のところがある。預金はたくさん集まるものの、融資先が少なく、有価証券運用に頼らざるを得ないからだ。この有価証券運用で得られる利息収入は本業利益に含まれない。
本業利益はもっとも“厳しい”利益指標のため、ほかの指標も併せてみるのが適当だ。今回はランキングの参考情報として、その他有価証券評価差額を掲載した。有価証券運用の規模、どれだけの含み益を持っているかを併せてチェックすることで、銀行の体力を確認することができるだろう。
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