次なる再編の焦点は「1県3行」エリア 「全国地銀マップ」で読み解く

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
拡大
縮小

2021年に入り各地域で再編の動きが出ている。「全国地銀マップ」から次の再編を占う。

特集「地方銀行ランキング」の他の記事を読む

「(再編支援の)時限を意識して腹を決めて取り組んでほしい」。金融庁の氷見野良三長官は6月14日に都内で行った講演で、日本銀行や金融機能強化法で新設された再編措置に触れ、改めて地銀再編を促した。氷見野長官の発言通り、新たな再編の動きが出てきた。

7月2日、宮城県に本社を置く銀行持株会社フィデアホールディングス(HD)と岩手県の東北銀行は2022年10月をメドに経営統合すると発表した。フィデアHDは山形県の荘内銀行と秋田県の北都銀行を傘下に抱えており、この統合が実現すれば3行体制となる。

九州で地銀の再編が活発化する一方、高齢化や人口減少から資金需要の低下が見込まれる東北は、これまであまり動きがなかった。岩手県には岩手銀行、東北銀行、北日本銀行と地銀が3つもある。中でも貸出量で県内3番手の東北銀行は公的資金を抱えており、再編は必須と見られていた。

国の再編支援で活発化か

フィデアHDと東北銀行は2018年に包括業務提携し、共同店舗の開設やATMの相互利用などで連携してきた。今回、経営統合に踏み込んだことで、M&Aやビジネスマッチングの際に他県の企業を紹介できるほか、間接経費の削減ができる。さらに、2020年以降に導入された国の再編支援策の恩恵を受けられる可能性が高い。

大きいのは、日本銀行の特別付利(3年間の時限措置)だろう。一定以上の経費率を下げた地銀や経営統合した地銀を対象に、日銀に預ける当座預金に年0.1%の上乗せ金利がつく。さらに、2021年5月に成立した改正金融機能強化法によって、システム統合などの費用の一部(上限30億円)も支給される見通しだ。

次ページ全国地銀マップ
関連記事
トピックボードAD
トレンドライブラリーAD
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
地方銀行ランキング
地銀の「格差」を見分ける3つのポイント
全国100社の最新決算を総まくり
地方銀行、2020年度決算「総合」ランキング
2020年度決算から健全性、収益性、成長性で独自採点
地方銀行「貸出残高増減率」ランキング
最も増やした銀行は22%増
地方銀行「経費率」ランキング
銀行の効率性が一目瞭然
地方銀行「不良債権比率」ランキング
ワースト1位が唯一の10%超え
次なる再編の焦点は「1県3行」エリア
「全国地銀マップ」で読み解く
地方銀行「自己資本比率」ランキング
1位は19.3%、最下位は7.1%
地方銀行「コア業務純益」ランキング
最も多い銀行は唯一の700億円超え
地方銀行「本業利益」ランキング
100社のうち30社が“赤字"
70%台が8人、地銀頭取「支持率」ランキング
株主総会の「賛成率」を総チェック
愛知銀、中京銀のタッグで狙う「県内最強」の試練
名古屋銀行を抜き去り資金量トップに
変わる「東海エリア」地方銀行の序列
愛知銀行と中京銀行が経営統合
3指標で実力診断、地方銀行「総合」ランキング
2021年度の中間決算で独自採点
地方銀行「経費率」ランキングが示す効率性の違い
経費率90%台から40%台まで大きな差
25行が赤字、地方銀行「本業利益」ランキング
独自試算で地銀の収益格差が浮き彫りに
きらやか銀行、「3度の公的資金申請」に漂う不安
運用受託で含み損拡大のSBIにも厳しい視線
2021年度決算を基に財務健全度などを徹底分析
企業再生のプロが見た地銀の実情と現場力の欠如
島根銀に異例出向した北門信金・伊藤氏に聞く
徐々にきしみ始めた「第4のメガバンク」構想
有価証券の含み損など個別指標をランキング化
その他の記事はこちら
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
東洋経済オンライン有料会員のご案内