「地銀1行の県」になる長野、今は合併しどきなのか 八十二銀と長野銀が交渉3カ月で「電撃婚」へ

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長野県内の地銀が統合を発表。再編優遇制度が目白押しの今、再編の機運はどこまで広がるのか。

長野県でメインバンクシェアトップの八十二銀行は、地銀屈指の強固な財務基盤を誇る。全国の地方銀行の「自己資本比率ランキング」はこちら(記者撮影)

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交渉開始から3カ月での電撃婚となった。

長野県首位の地方銀行である八十二銀行は9月28日、同じ長野地盤の長野銀行と経営統合を行うと発表した。2023年6月にも八十二銀が長野銀を完全子会社化し、2025年をメドに合併を予定する。実現すれば、県内で6割超のメインバンクシェアを握る唯一の地銀となる。

統合の話は今年6月、八十二銀の松下正樹頭取が長野銀の西澤仁志頭取に打診したことから始まった。4月に長野銀が発表した中期経営計画を「目指す方向が同じだと感じた」(松下頭取)ことがきっかけだ。協議のテーブルについたのは7月。基本合意の締結までわずか3カ月という速さだ。

スピード決断の背景には、人口減少や長引く低金利といった市場環境の厳しさ以外の事情も透けて見える。

長野銀行の人材が魅力に映った

「人材が不足している」。発表同日に開かれた記者会見上、八十二銀の松下頭取は統合の理由として人材難を挙げた。従業員数が減少基調にあった八十二銀が、一転して人材を求めたのには理由がある。

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