徐々に加速し始めた地方銀行の再編ドミノ。全国のエリア別にその最前線を追った。今回は中国・四国編。
「やはり四国アライアンスは砂上の楼閣なのか」。2022年3月、高知県の四国銀行が大和証券と進めていた包括業務提携の最終契約を発表すると、地方銀行の関係者はそう冷ややかに語った。
というのも、2年前にも徳島県の阿波銀行が野村証券と包括業務提携を結び、「四国アライアンスは同床異夢か」という観測が浮上していたからだ。
四国アライアンスがスタートしたのは2016年。伊予銀行が主導し、百十四銀行、阿波銀行、四国銀行と、四国4県の第一地銀が業務提携を結んだ。観光業の活性化や事業承継M&A(合併・買収)、ビジネスマッチングなどで四国経済の底上げにつなげる、いわば緩やかな事業連携だ。
伊予銀は完全子会社の四国アライアンス証券(旧いよぎん証券)の商品を、ほか3行が取り扱えるようにしたが、阿波銀や四国銀の大手証券会社との業務提携は「足並みがそろっていない」(先の地銀関係者)ことを周囲に印象づけた。
ただ、伊予銀の関係者は「経営はそれぞれ独立している。アライアンス自体はうまくいっている」と涼しい顔を崩さない(2021年度の全国99行の地銀決算から作成した「衰弱度」総合ワーストランキングはこちら)。
なりふり構わぬ第二地銀と信金
第一地銀の緩やかな連携は、周囲に思わぬ影響を与えた。トモニホールディングス傘下の香川銀行と高松信用金庫が2021年5月、「かがわアライアンス」を締結。第二地銀と信金がなりふり構わずタッグを組んだのだ。
高松信金は香川銀が持つ事業承継やM&Aのノウハウを吸収し、香川銀は高松信金の顧客である中小企業との接点を増やす狙いだ。
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