コロナ禍で地銀は企業の資金繰り支援に奔走した。最新決算から貸出残高増減率のワーストランキングを作成。
「これまで無借金だった企業からも融資の要請が殺到した」。ある地方銀行の幹部はそう振り返る。コロナ禍で企業の資金繰り支援に奔走する中、地銀の貸出残高は大きく伸びている。愛知銀行のように前期比で20%以上の増加率を記録する銀行もあるほどだ。
地方銀行100社の貸出残高増減率ランキング(下表)を見ると、残高が前期比で10%以上増えた地銀は11行あった。増加率が最も高かった愛知銀行と同じく、愛知県を地盤とする名古屋銀行(12.36%増)や中京銀行(12.63%増)も大きく残高を伸ばした。「製造業が多いことから、中国でコロナが騒がれ始めた年明けからヒアリングなどを進め、まんべんなく需要を取り込めた」(愛知県の地銀幹部)という。
一方、残高を減らした銀行もある。ワースト1位は静岡県のスルガ銀行。経営再建中であることから融資の新規実行が大幅に減っている。それに対し、過去に実行した大量の融資が返済されていくことから、貸出金残高は減少トレンドが続きそうだ。
ランキングには貸出残高のほかに貸出金利、預金金利もつけている。同一県内の地銀で利回りの差があるかどうかを見るのも参考になるだろう。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら