徐々に加速し始めた地方銀行の再編ドミノ。全国のエリア別にその最前線を追った。今回は東海・甲信越編。
東海圏の再編震源地になっているのは、トヨタ自動車を中心とした完成車・自動車部品メーカーや関連産業が集積し、肥沃な資金ニーズがある愛知県だ(2021年度の全国99行の地銀決算から作成した「衰弱度」総合ワーストランキングはこちら)。
「愛知県ナンバーワンの金融グループを目指す」。2022年5月11日、名古屋市内のホテルで行われた記者会見で、愛知銀行の伊藤行記頭取と中京銀行の小林秀夫頭取は、「ナンバーワン」というフレーズを何度も繰り返した。
両行の合併に向けて22年10月に発足する共同持ち株会社の名称は「あいちフィナンシャルグループ」とし、「あいち」の「い」には「地域いちばん」の思いを込めたという。
名古屋銀を追い抜いてトップに
念頭にあったのは県内トップの名古屋銀行だ。名古屋銀の貸出残高は22年3月末時点で3兆3385億円。2位につける愛知銀は同2兆7594億円、3位の中京銀は同1兆5494億円だ。
「愛知・中京」の2位・3位連合が誕生すれば貸出残高は4兆円を超え、名古屋銀を追い抜いてトップに躍り出る。
名古屋銀と愛知銀はともに取引先としてトヨタ関連企業を多く持ち、支店の営業区域も重なり合うことが多いため、県内では激しく角を突き合わせてきた。
名古屋銀にとって愛知銀と中京銀の経営統合は、相当な脅威と映ったに違いない。両行の最終合意を翌月に控えた4月27日、名古屋銀は地銀上位行の静岡銀行と包括業務提携を結ぶことを発表。愛知・中京連合を牽制した。
県内3行が規模拡大や連携強化に動く理由はほかにもある。
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