地方銀行「経費率」ランキングが示す効率性の違い 経費率90%台から40%台まで大きな差

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経営の効率性を示す経費率。全国99ある地銀の数値を比べると、トップとワーストの差が大きいことがわかる。

地方銀行は日銀の制度を活用するため、こぞって経費削減に動いている(編集部撮影)

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「少しでも経費を削減できるところはないか、あらゆる出費を見直した」。ある地方銀行の財務担当者はそう語る。

地銀がコスト削減を急ぐ背景には日本銀行が導入した特別付利制度が大きく関係している。この制度は経費率(営業経費÷業務粗利益)を一定程度下げた地銀や経営統合した地銀を対象に、日銀に預けている当座預金に年0.1%の上乗せ金利をつけるというもの。

特別付利は2020年度から2022年度までの時限措置。従来から経費率が高いと言われながらも腰を上げようとしなかった地銀らに対し、“アメ”を用意することで、一気に経営の効率化を進めさせようというわけだ。

86の地銀が制度を活用

この効果は想像以上に大きかった。制度適用の初回となる2021年度上半期(4月~9月)に特別付利を受けた地銀は86行にものぼる。全国の地銀のうち9割近いところが経費削減の基準を達成したわけだ。

では、全国に99行ある地銀の経費率はどれくらい差があるのか。

2021年度中間決算を基に地銀の経費率を算出し、その数値が高い順にランキングした。99行の平均は約71%だが、40%と低い地銀が3行ある一方、80%を超える地銀が22行あった。

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