全国の地方銀行は近隣、広域でどのような関係を構築しているのか。合従連衡の契機になる提携やシステム連携の関係を徹底図解!
「地方の銀行は、将来的には数が多すぎるのではないか」。2020年9月、菅義偉前首相が自民党総裁選への出馬を前にそう発言したことで、機運が一気に高まった地銀再編。
当時官房長官として、同一県内における地銀合併の制限を緩和する、独占禁止法の特例整備に当たっていたこともあり、多くの地銀には強烈な圧力として受け止められた。
菅氏が首相に就いた2カ月後には、日本銀行が「地域金融強化のための特別当座預金制度」を創設。経営統合などを条件に、当座預金の金利を年0.1%上乗せすることも打ち出している。
再編促進に向けてそうした環境整備が進むのと前後するように、青森銀行とみちのく銀行の経営統合構想が持ち上がったことで、全国で地銀再編の導火線に火がついたかに思われた(2021年度の全国99行の地銀決算から作成した「衰弱度」総合ワーストランキングはこちら)。
統合を前提としない業務提携の山
しかしながら、政府主導の“政策再編”が結果として生み出したのは、「アライアンス」や「パートナーシップ」の名を付した、経営統合を前提としない地銀間の業務提携の山だった(全国の地銀の連携関係を示す図表は次ページ)。
金融庁のある幹部は、「中身を見れば、しょうもない提携ばかり。経営基盤強化に向けて、しっかり方策は考えていますよとアピールし、再編の圧力を何とかかわしたいだけ」とため息をつく。
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