LGBTQをわかってない人に伝えたい3つの重要点 望ましい職場環境づくりに必要な正しい知識
企業にとって、LGBTQ(性的少数者・セクシュアルマイノリティー)を意識した経営の重要性が高まっています。従業員や取引先、消費者や株主など、企業を取り巻くステークホルダーの中にLGBTQが存在しうることが明らかになっているためです。
2017年に一般社団法人日本経済団体連合会が実施した調査にも見て取ることができます。同調査で、会員企業の76.4%が「LGBTに関して、何らかの取り組みを既に実施または検討中である」と回答。具体的には、LGBTQに対するハラスメントや差別禁止を社内規定に明記することや、理解を深めるための社内研修、相談窓口の設置など取り組む動きが広がっています。これらの取り組みを対外的に表明する「LGBTフレンドリー企業」も増えています。
そもそもLGBTQとは?
LGBTとはレズビアン(Lesbian:女性の同性愛者)、ゲイ(Gay:男性の同性愛者)、バイセクシュアル(Bisexual:両性愛者)、トランスジェンダー(Transgender:身体の性別と自己の認識する性が一致しない人)の頭文字をとったセクシュアルマイノリティーと呼ばれる人々を指す総称です。
拙著『LGBTQの働き方をケアする本』でも詳しく解説していますが、近年は「LGBTQ」や「LGBTQ+」「LGBTQs」「LGBTQIA」など、さまざまな表現が使われるようになっています。LGBTQの「Q」とは、クエスチョニング(Questioning)と呼ばれる1つのセクシュアリティー(性のありよう)です。クエスチョニングは自己の認識する性や、性的魅力を感じる対象の性などについて、迷ったり揺れ動く気持ちを抱いている人を指す言葉です。
また、LGBTQの「Q」には、クィア(Queer)という意味も含まれています。クィアはもともと侮蔑的なニュアンスを持つ言葉でしたが、次第に「すべてのセクシュアルマイノリティーを包括する言葉」として用いられるようになった言葉です。セクシュアルマイノリティーには、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニングだけに限らない、多様なセクシュアリティーが存在するのです。
私もLGBTQの当事者として、同じ当事者からの相談を受けたり、企業担当者からの相談を受けたりします。
ただ、職場のLGBTQに対するケアは、大企業を中心に取り組みが進められてきたものの、社会全体に理解が浸透していないことによる特有の困難さがあります。
そのため、多くの企業が「何から取り組んでいいのかわからない」状況だと思います。
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