岩本さんのお子さんのように、定期テストの勉強をしないということは、それが未来の成績や入試につながっているという認識がないか、極めて低いと考えられます。テストが近づくにしたがって、次第にやらなければならない気持ちが(多少でも)高まるのは、現在と未来(=テスト)との距離が短くなってきたからではないでしょうか。
一方の大人は、未来についての認識がしっかりしているので、一連の流れをよく理解しています。そのため、準備をしないと大変なことになるのではないかと不安になることができるわけです。
では、いったいいつごろその未来感覚はつくの?と思われるでしょう。これについてはかなり個人差がありますが、筆者の指導経験から傾向をお伝えしますと、男子で中2の夏以降、女子では小5からです。子どもの自律の第一歩はこの時期から始まるとも考えてよいかと思います。
【対策】3つの手順で進める
とはいえ、子どもが成長するまで、ひたすら何年も待ち続けるわけにはいかないこともあります。親が精神修行をするにも限度があります。では、どうしたらいいでしょうか。
それは、実はカンタンです。淡々と教えてあげればいいのです。
そのうえで、以下の3つの手順で進めていきます。
今後想定されるすべてのケースを選択肢として提示します。例えば宿題のケースであれば、多くの場合、次の2つになります。(厳密には3つ以上もありえますが、整理していくと2つに帰結します)
(1)宿題をするという選択
(2)宿題をしないという選択
(1)宿題をする場合
<メリット例> 学力が上がる、テストで点数が上がる、達成感が得られる
<デメリット例> 遊びの時間が減る、面倒
(2)宿題をしない場合
<メリット例> 自分のやりたいことができる時間が増える
<デメリット例> 先生に怒られる、成績が下がる
ここで大事なことは、メリットとデメリットの両方を公平に話すことです。親の意図が入ると、子どもはそれを敏感に感じ取ります。また、メリットとデメリットは確実にそうなるわけではないため、あくまでも可能性の話であると伝えます。確実にそうなると伝えてしまうと、子どもは納得しませんし、例外を挙げてきて反発することもあります。
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