この手順が最も難しいです。なぜなら親はどうしても宿題をやってもらいたいと思っているため、「宿題をやる」選択をするように誘導したり、親の意見を言ったりすることがあるからです。
例えば、「選択は自由」と言っておきながら、「お母さんだったらやるけどね」とか「やったほうがいいと思うけど」など、一言付け加えてしまったり。これは明らかな誘導であり、誘導を行うと、子どもは本来の意思に反して、親の意図とは逆の選択肢を選ぶことがあります。
なお、「テストが近いからそろそろ勉強したほうがいい」「宿題やらないと身につかないよ!」「テストがあるんだからテスト勉強しなさい」は教えるとはいいません。これらは「説得」「脅迫」「強制」です。このような働きかけをすると子どもは、反発しがちです。
では、優しく言えばいいかといえば、それも違います。優しく言う、強く言うという話ではありません。未来を認識できない子どもに、現在と未来がつながっていることを、きちんと教えてあげるのです。
すべて網羅された選択肢が与えられると、拒絶できない
以上をまとめると次のようになります。
もし、このように伝えて、子どもが宿題をしない選択をしたらどうしよう?と思うかもしれません。
「説得」「提案」「脅迫」「強制」であれば、子どもは「拒絶する」という道をとることもできます。しかし、すべてが網羅された選択肢が与えられた場合は選択せざるをえないため、拒絶ができません。すると、子どもは自己選択するために自分事と捉え、自分にとってのメリットは何かを考えるようになります。
ちなみに、この方法で筆者は子どもたちを指導してきましたが、自分を成長させない選択をした子はほとんどいませんでした。仮に間違った選択をした場合でも、それは学びにつながり、その後、選択を修正してきます。それが、「自主性」というものであると筆者は思っています。
ぜひ一度この選択モデルをお子さんに提示してみてください。何かしら変化が出るのではないかと思います。
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